カルシウム

久々の休みだったので、寝れるところまで寝ていよう。そう意気込んで、日付が変わる前に就寝した。しかし身体は長時間の睡眠に戸惑っているようで、途中何度も起きてしまう。その度に夢が変わっていった。1つめの夢では妖精と空を飛んで猟師に撃ち抜かれ、2つめの夢では朝食を食べ制服を着て登校している途中で黒尽くめの男に誘拐され、3つめの夢では母に注意された。

「あんた、また遊びまわって」
「るせー黙ってろ」
「何その口の聞き方！もう！」

夢の中のはずなのに、なぜか怒られている。ここくらい、思い通りになってくれてもいいのに。母は小さな背中を揺らしている。咳き込んでいた。

「おい、それ…」
「なあに、大丈夫よお。慣れてるから」

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